麻しん(はしか)の国内外での増加に伴う注意喚起について
麻しん(はしか)患者が国内外で増加しています!
麻しん(はしか)に罹患する人が増えており、特にヨーロッパ地域における罹患者報告数は前年度の30倍以上に急増しています。入院を要する重症例や死亡例も報告されています。また、訪日外客数が多い東南アジア地域についても、世界的に麻しんの罹患者報告数が多い地域の一つとなっています。日本でも令和5年4月に海外渡航歴のある関東圏内居住者が麻しんと診断され、当該患者と同じ交通機関を利用した者を中心に東京都において麻しん患者が複数人発生しております。令和6年になっても海外渡航歴のある者が帰国後、麻しんと診断され同じ交通機関を利用した者に感染が広がり、二次感染例の報告が増加しています。今後も海外からの麻しんの輸入症例や国内における感染伝播事例が増加することが懸念されています。
麻しん(はしか)とは
○感染経路麻しんウイルスの感染によって起こります。感染力が強く、飛沫・接触だけではなく空気感染もあり、麻しんに対する免疫がないと多くの人がかかります。
麻しん(はしか)は、一般的に発症前~風邪症状が現れる時期(全身の発疹前)が最も感染力が強いといわれています。
※空気感染とは・・・ウイルスや細菌が空気中に飛びだし、広い空間で人に感染されることです。
○症状
主症状:高熱、せき、鼻汁、眼球粘膜の充血、めやに、発疹
症状の経過:ウイルス感染から約10日後、38℃前後の熱が2~3日続いてから、コプリック斑(頬粘膜に形成される巨細胞、麻しん罹患の特徴的な症状)が出現すると、翌日から39~40℃の高熱と発疹が出ます。高熱は3~4日で解熱し、次第に発疹も消失しますが、しばらく色素沈着が残ります。
○合併症
ウイルス感染により、免疫機能が低下し、他のウイルスや細菌に感染しやすい状態になるため、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎が主な合併症になります。頻度は中耳炎が約7~9人/100人、肺炎が約1~6人/100人、脳炎が1~2人/約1,000人の割合で発生がみられます。
妊娠中は特に注意が必要で、感染すると流産や早産を引き起こすおそれもあります。
○治療
麻しんウイルスに特化した治療法はなく、対処療法しかありません。
※麻しん(はしか)は、医療が発達した先進国であっても、かかった人の約1,000人に1人が死亡するとても重症の病気です。
日本でも平成12(2000)年前後の流行では、年間約20~30人が死亡していました。
麻しん(はしか)の予防について
麻しんワクチンの予防接種が最も有効な予防法です。感染力の強い麻しん(はしか)は、空気を介して人から人へと簡単にうつるため、手洗いやマスクだけでは予防することはできません。
こどもの予防接種
○麻しん風しん(MR)混合ワクチンを2回接種します・第1期:生後12月から生後24月に至るまでの間に1回接種
・第2期:小学校就学前の1年間(保育園等の年長児)に1回接種
MRワクチンの1回接種で95%以上のこどもは、免疫を得ることができますが、つき損ねた場合の用心と年数がたって免疫が下がってくることを防ぐ目的で2回接種することが重要です。
※麻しんに対する集団免疫を維持するためには、麻しんワクチンの接種率を95%以上で維持する必要がありますが、令和3年度以降MRワクチンの接種率は95%を下回っており、95%を下回るのは2009年以来のことです。
予防接種を受けているか確認しましょう!
母子健康手帳で麻しんワクチンの接種歴を確認しましょう。麻しん(はしか)は1回感染すると終生免疫がつき、よほど大きな病気にかかったり、免疫抑止剤を使う等がなければ、基本的には一生強い免疫力が維持します。
麻しん(はしか)にかかったか不明な人、麻しんワクチンの接種歴が不明な人は、抗体検査を受けていただくか、麻しん・風しん混合ワクチンの接種をご検討ください。
(予防接種の目安)
(1)2000(平成12)年4月2日以降に生まれている23歳以下の人⇒2回の接種でワクチン免疫を獲得
(2)1972(昭和47)年10月1日以降に生まれている23歳~51歳の人⇒1回のみの可能性
※2008(平成20)年度~2012(平成25)年度の5年間に限り、中学校1年生(3期)と高校3年生(4期)相当の年齢の人に2回目のワクチンが定期接種として実施していました。
(3)51歳以上の人⇒未接種の可能性
※1962(昭和37)年4月2日~1979(昭和54)年4月1日の間に生まれた男性で、風しん第5期予防接種においてMRワクチンを接種した人は1回接種済となります。
※ワクチンの抗体価は20~30年ほどで低下してくるといわれていますので、30~40代の世代でも免疫が落ちている可能性があり、注意が必要です。
Q&A
Q1.麻しん(はしか)にかかったかも?と思うのですが、どうすればよいのですか。A1.発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しんの疑いがあることをかかりつけ医または医療機関に電話で伝え、受診の可否や注意点を確認してから、その指示に従ってください。また、麻しんの感染力は非常に強いといわれています。医療機関へ移動される際は、周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けてください。
Q2.妊娠しているのですが麻しんの流行が心配です。どうしたらよいでしょうか?
A2.妊娠中に麻しんにかかると流産や早産を起こす可能性があります。
妊娠前であれば未接種・未罹患の場合、ワクチン接種を受けることを積極的に検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、麻しん流行時には外出を避け、人混みに近づかないようにするなどの注意が必要です。また、麻しん流行時に、同居者に麻しんにかかる可能性が高い方(例えば麻しんの感染歴がなく、麻しんワクチンの2回接種があきらかでない人で、麻しんウイルスに暴露される可能性が高い人など)がおられる場合はワクチン接種等の対応について、かかりつけの医師にご相談ください。
掲載日 令和6年3月13日
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